伊賀ホイホイされて読みました。
伊賀越えがどう扱われているのかなと。
Book Data
作品名:峠越え
著者:伊東潤
舞台:日本 (戦国時代)
書店リンク:
紀伊國屋書店
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概要
徳川家康の前に立ちはだかる数々の壁の物語です。伊賀越えも入っていますが、メインではありません。
生き残るために、立ちはだかる壁をどうにかして乗り越えていく、乗り越えたと思えばまたすぐに壁がある、それの繰り返しです。
伊賀越えの行程自体よりも、そこへと続いていく物語です。
そして、本能寺の変がどのようにして起きたのか、その時どうして家康は大阪にいたのか、そこのところの物語です。
レビュー
帯にも裏表紙のあらすじにも「伊賀越え」の表記があり、ページをめくれば目次の次に伊賀越え経路の地図があるのに、伊賀越えの話じゃない! 少なくとも、私にとっては伊賀越えの話ではありません。
なので、ちょっと騙された気分です。
うん、峠は伊賀の前後ですしね。
タイトルの「峠越え」に異論はないのですが、どうしてこんなに「伊賀越え」を押すのかが疑問です。
うん、私からすると、「本能寺の変」の一つの見解という方がしっくりきます。
物語の開始は天正10年4月、終わりは同年6月。わずかな期間の物語かと思いきや、様々な壁の回想が入ります。
回想ですので、途中をぶっ飛ばせますし、関連のあることを集められますし。
ただ、壁を越えるのは、前に壁が立ちはだかり、後ろから崖が迫ってくる、もうダメだと思っていたら壁の方に扉が開いてくれると、流されただけでは? という気がしなくもありません。